ある一般産業 機械装置メーカの I 社長と
弊社小川との会話内容抜粋(第4回)です


・・・第3回から続きます


―― 見えるコントローラ ――
I 社長 「見えるコントローラ」についても小川社長のこだわりがありそ うですが・・・
機械屋のわたしにもプログラミングできますか?


小川
機械設計者ならプログラミング可能です
「わたしが使えるコントローラの開発」が合言葉でしたから。わたしが使えれば、誰でも使えると、ダイアディックの人間は言っております




ダイアディックの「見えるコントローラ」は
「シーケンサ」に相当する「ハード」と
「プログラムを作成するツール」である「ソフト」
の2つから構成されます。
ま、こんな説明はどうでもよいのですが



I 社長 うちでもシーケンサは使っていますが、現在主流のシーケンサの 代わりをするものと考えてよいわけですね。

シーケンサに代わるコントローラとして、誰でも使えるコントローラを開発するにあたってどのような経緯があり、発想したか、そちらにも興味がありますね



小川
「技術が高ければ、物は安く作れる」
「技術が進歩すれば、物は安くなる」
と日ごろ、考えておりまして、弊社のシステムが「現代へのタイムマシン」であると言い切るためには、想定出来ない位のコスト・カットが可能でなければならないわけです。

そこで、いろいろなユーザの機械装置システムの 中で、どこかに「金が落ちて(埋まっている所)ないか?」という視点で、 ユーザの一般産業機械システムを見渡した時に、「とんでもない金(時間)が落ちている(埋まっている)」ことに気づきました。「しめしめ」と感じた次第で す。
「ラダー・シーケンス」と「空圧シリンダ」の組み合わせ「様様」でした。



I 社長
それは何となく解りますが、必要悪です よ。
小川社長の話も「眉ツバ」のような気がしますが?




小川 まあ、順をおって話します
わたしは以前から
「ラダープログラムは大変だ」
「書いた人間しか解らない」
「いつデバッグが終わるか解らない」
「今夜は徹夜だ」
などの話は聞いていました。
貴社も納期間近になると徹夜をしている制御屋がいませんか?

普通は1人や2人、頼りになる者がいて何とか間に合うのですが
と言う事は、逆に言えば、このラダーに大変な時間(金)をかけていますよね。
外の業者に依頼すれば、利益分以上の金がかかってしまうのではないですか?

それから、機械屋さんが「タイムチャート」を書いて、電気屋さんに動作 の説明しているのを見まして、 機械屋は「制御設計」を自分達ですでに済ませているのではないか?
ただ、ラダー言語と言う、特殊な言語を使用するから、「ラダー職人」が必要なわけで。

先ほど、話しましたが、「サーボ職人」の時と全く同じように、「難しいから 職人の仕事」になるわけで、 簡単にすれば誰でも使えるようになると考えた次第です。

パソコンのプログラム言語の変遷を見てみれば、
マシン語⇒DOS⇒Windows(ビジュアル言語)と30年くらいの間で大きく変わってきています。
つまり特殊言語⇒ビジュアル化言語 という流れが絶対にあるはずで、ビジュアル化すればプログラムが明確に見え、 あわせて、その使い勝手も格段に向上するはずです。

そこでダイアディックシステムズは工程図に可視化したビジュアル工程図 (特許申請中)という考え方を取り入れ、 使用するサーボモータ、シリンダ等をマウスの「ドラッグ アンド ドロップ」でビジュアル工程図上に置いていく(落とし 込んでいく)手法を用いることで、 装置設計をした機械屋さんなら誰でも、自分の考えたタイムチャートに従って、シーケンスプログラムが簡単に、 圧倒的に短い時間で作成可能な状況をつくりだしたわけです。




I 社長 なんとなく解ったような気がしますが。


おかしな質問をしますが、今までなぜこのような事をダイア ディック以外の会社でやらなかったのでしょうか?




小川 わかりません。
他社に聞いて下さい。

というのが正直なところですが、あえて、その要因を探すならば、ダイアディックのサーボシステムの制御方法に関係していると思います

制御の専門用語になってしまいますが、ダイアディックシステムズは自律 分散方式の手法を採用しております。
現在汎用サーボメーカが主として採用している方式は集中制御方式とい われているもので、ダイアディックシステムズとは全く違った方式にな ります

簡単に違いを申し上げれば A点⇒B点 まで移動させる場合
ダイアディックのサーボでは、予めA点とB点の位置や移動速度をティーチングしておき、「B点へ移動」と指令するだけで済みます。
それに対して、集中制御方式では、 B点に到達するまで指令を与え続ける(パルスを入れ続ける)制御を行います。

ダイアディックの場合、仕事の中身を理解できるくらいの小さな頭脳 (CPU)をサーボ各軸に分散配置しているので、 パルス列入力のような常時指令信号をサーボに与え続ける必要がないわけです。
つまり「どの軸を」「何処へ」と指令してやれば、あとはサーボが勝手に判断して動き、動作が完了したら、 動作完了信号をサーボが「見えるコントローラ」に戻すだけのシンプルなやり取りでサーボ機器が制御できるわけです。

要約すれば、自律分散方式のサーボコンポーネント(モータ、シリンダ) をベースにしたことと、 プログラムを可視化したビジュアル工程図をうまく組合わせられた結果であると思います。





第5回に続きます・・・