ある一般産業 機械装置メーカの I 社長と
弊社小川との会話内容抜粋(第5回)です


・・・第4回から続きます


―― サーボモータの貸し出しシステム ――
I 社長 ダイアディックの製品が今までご説明頂いた基本コンセプトに基 づいて、徐々にラインアップされてきたことは、理解できますが、 ややもすると「理想論」、「理屈先行」、厳しい言い方をさせてもらえば「頭デッカチ」になっているようなことはありませんか?

「理想論」や「理屈」だけでは、ユーザに使ってもらうことはできません よ



小川
イヤー、鋭い指摘ですね
今でもうちの人間、全員で反省しているのですが、会社創業時は確かにその傾向があったと思います
ユーザから電話で相談があると、最後は説教的になっていたり・・・

今は「頭デッカチ」にならないように常に心がけていますし、これからも 気を付けていくつもりです





ご指摘の答えになるかどうかわかりませんが、宣伝も兼ねて言わせて頂くと、「サー ボモータの貸し出しシステム」や機器間配線に関しての 「タグ配線システム」というような現場で生まれ、現場で役立つと思われる工夫も実践しております。

例えば、「サーボモータの選定」につきましては、サーボメーカ各社は 「サーボ選定ソフト」なるものを用意して、ユーザに実質無償配布しています。 ユーザは、その「選定ソフト」に機械側の負荷条件と要求されているタクト時間を入力して、シュミレーションを行い、サーボモータを選定していま す。

ところが、現場では、度々「サーボモータの選定ミス」が発生し、ユーザ の最終工程において
「サーボ容量の不足」⇒「容量アップして再手配」
機械納期遅れのトラブルが起きています




I 社長 うちでも経験あります
事前にシュミレーションをして、検証しているのにどうしてこのような事がおきるのですか?



小川
「サーボ選定ソフト」が「嘘をつくから です」

冗談です。「サーボ選定ソフト」にユーザが入力する負荷条件の問題です
負荷条件の主なものは、機械側の摩擦負荷、慣性負荷があります。この うち、慣性負荷は機械屋さんの計算で処理できますので、 かなり正確に入力され、問題は比較的少ないです。
たまには、一桁間違いなどという、笑えないことがおきることもありますが。
問題は摩擦負荷の方にあります。新規、機構 設計された機械の摩擦をある程度事前に図面から予測することは、かなり難しいことだと思います。 類似機構の過去の実測データが有れば、助かるのですが、いつもこの条件を満たしているわけではありません。

オーバーな言い方をすれば、「神様しか解らない摩擦負荷」
「エイ ヤー」
と推定して、選定ソフトに入力するわけです、その結果、 選定されたサーボモータが上手く機械を回せれば「運が良かった」というわけです。
これを我々は「サーボ選定ソフトは嘘をつく」と冗談半分にいっているわけです。




I 社長
なるほど、それでダイアディックは 「サーボモータの貸し出しシステム」を採用しているのですね




小川 世間様並の「サーボ選定ソフト」はとりあえず、用意してあります。
その上で、そのソフトの使用限界を充分認識し、「何を用意したら、ユーザの問題を解決できるか?」を考えまして、ユーザ側で、 実験機等の類似機構が用意できるなら、「売り買い」の前に、ダイアディックから「選定ソフト」にて選定されたサーボモータを
「貸し出し」⇒「ユーザにて確認」
という、泥臭い手法を採用させて頂いております。

今のところ「貸し出しシステム」に代わる良い方法が見つかっていません ので、これからも「サーボモータ貸し出しシステム」は採用していく方針ですが




I 社長 だてに、サーボ屋を30年やってきたわけではありませんね
過去いろいろと経験されているのですね


ダイアディックとしては、貸し出し用サーボモータの準備など、 相当数の投資も必要かと思いますが、わたしら、ユーザ側からすれば助かりますし、 社内トラブルを避ける手堅い手法だと思います

今後、有効に使わせて頂きますよ





小川 恐れいります
「サーボ選定」も貴社の負荷条件を教えて頂ければ、うちの技術屋がシュミレーションして、回答しますので、うちをうまく使ってください

ポンチ絵があるとだいぶ、助かりますが、無くても解らないところは電話で確認させて頂きますので、まずは気軽に使って見て下さい
動かない場合は、当然そのまま返してもらっても構いません
ただ、そこまですれば全く動かないということはほとんど、ありません




第6回に続きます・・・